タンパク質は何で必要なの?
「五大栄養素」「3大栄養素」にあげられる「タンパク質」最近では「ダイエッター」や「ボディビルダー」と言った体づくりに特に気を使っている方達のみならず、お子様からお年寄りまで、「タンパク質」の積極的な摂取を、国が推奨するまでになっています。それに関連した食品もたくさん販売されています。「タンパク質」がなぜ、こんな注目されているのかちょっとだけ深堀してみます。
タンパク質って何?
そもそも「タンパク質」ってなんなんでしょうか?
「人体の約15%~20%を構成している物質」とあります。不親切な文章ですね(汗)
一人の人間を成分で分けていくと【水分】50~65%【タンパク質】15~20%【脂質・脂肪】15~25%【ミネラル】4%と分けられます。個人差があるので、大体の平均でこれくらいと思ってください。体重50kgの人で分けていくと【水分】25㎏~32.5㎏【タンパク質】7.5㎏~10㎏【脂質・脂肪】7.5㎏~12.5㎏【ミネラル】2㎏って感じですか。。。
一番身近な【タンパク質】は、爪・髪・肌ですかね身近というか、目につきやすいものです。あとは筋肉や内臓やホルモンや酵素や免疫物質など。とにかく人体に重要な器官や物質は【タンパク質】でできています。
人体に重要な「栄養素」【タンパク質】ですが、【タンパク質】の主成分は【アミノ酸】です。【アミノ酸】が結合して出来上がるのが【タンパク質】です。【タンパク質】を作るのにに必要な【アミノ酸】は全部で20種類です。そのうち11種類は体内で作れるのですが、残りの9種類は体内で作ることが出来ません。ですから食品から接種する必要があります。この9種類のアミノ酸を【必須アミノ酸】と呼んでいます。【アミノ酸】の20種類は下記の表に記述します。
必須アミノ酸(食品からしか接種できない) | |||
バリン | 成長に関与・血液中の窒素バランスの調整・肝機能向上 | バリンは特に筋肉をつくるのに大切な必須アミノ酸です。イソロイシン、ロイシンとともにBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれます。不足すると食欲を低下させ、栄養不良の悪循環を引き起こすと考えられています。 | |
イソロイシン | 成長促進・神経機能補助・血管拡張・肝機能向上 | イソロイシンはタンパク質、特に筋肉をつくるのに大切な必須アミノ酸です。バリン、ロイシンと ともにBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれます。ヘモグロビンを形成するのに必要なアミノ酸です。 | |
ロイシン | 肝機能向上・肝細胞の増殖・分化の正常化・血糖コントロール・タンパク質生合成の促進・筋タンパク質の維持・筋肉グリコーゲン合成・酵素活性の促進 | ロイシンは子どもの成長や大人の筋肉維持に必要な必須アミノ酸です。バリン、イソロイシンとともにBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれます。ロイシンはタンパク質の生成・分解を調整することによって、筋肉の維持に働きます。 | |
メチオニン | 開始アミノ酸としての役割・薬物中毒の解毒・肝機能の改善 | メチオニンは、からだの中でタンパク質をつくるとき必ずいちばんはじめに必要な必須アミノ酸です。これが不足すると、すべてのタンパク質合成に支障が出てしまうおそれが出ます。メチオニンはまた、脂肪をエネルギーに変えるときに必要なカルニチンという物質の生合成にもかかわります。 | |
リジン(リシン) | 身体組織修復・成長に関与・肝機能の向上 | リジンは小麦や米など穀類に少ない必須アミノ酸です。リジンはまた、脂肪をエネルギーに変えるのに必要なカルニチンという物質の材料になります。 | |
フェニルアラニン | 血圧の上昇・鎮痛作用・ドーパミン・ノルアドレナリンの材料 | フェニルアラニンは、チロシンを経て脳内神経伝達物質ドーパミンやノルアドレナリン、黒色色素メラニンの材料になる必須アミノ酸です。合成甘味料アスパルテームの原料ともなるアミノ酸です。 | |
トリプトファン | セロトニンやメラトニンの材料・コレステロール、血圧のコントロール | トリプトファンは、体内でナイアシンになったり、脳内神経伝達物質セロトニンの材料となる必須アミノ酸です。トリプトファンはトウモロコシに少ないため、昔トウモロコシを主食としていた地域でナイアシン欠乏症(ペラグラ)が発生しました。 | |
スレオニン | 成長促進・脂肪肝の抑制 | スレオニンは、人が体内で全く合成できない必須アミノ酸です。魚や鶏肉、肉などに多く含まれています。 | |
ヒスチジン | 成長に関与・ヘモグロビン、白血球の産生に関与 | ヒスチジンは、人の体内での合成が比較的遅いアミノ酸で、幼児が不足すると湿疹ができてしまうおそれがある必須アミノ酸です。ヘモグロビンに多く含まれているので、不足すると貧血になるおそれが出ます。 | |
小児期のみ必須アミノ酸
アルギニン |
一酸化窒素の前駆体・成長ホルモン、インスリン、グルカゴンの分泌に関与 | アルギニンは、成長期にその合成能力が足りないため小児で必須アミノ酸となっています。アルギニンは、成長ホルモン、インスリンやグルカゴンの分泌促進に関わります。 | |
準必須アミノ酸(体内で作ることが出来るがストレスなどで産生が追い付かな事がある為食品からの摂取が必要) | |||
グルタミン | 小腸のエネルギー源・免疫細胞のエネルギー源・消化管粘膜の保護 など | グルタミンはグルタミン酸とアンモニアからつくられる非必須アミノ酸です。しかしストレスなどで足りなくなる場合もあり、準必須アミノ酸といわれます。血ショウ中にもっとも多いアミノ酸です。 | |
非必須アミノ酸(体内で産生できる) | |||
グリシン | クレアチンリン酸の材料・コラーゲンの材料・神経伝達物質・胆汁酸抱合体の材料・赤血球の材料 など | グリシンはコラーゲンの33%を占める非必須アミノ酸です。甘味のあるアミノ酸で、体内ではセリンやスレオニンからつくられます。睡眠の質をよくするともいわれています。 | |
アラニン | ほとんどのタンパク質に存在・グルコースに変わりやすい・エネルギー源 など | アラニンはほとんどすべてのタンパク質に広く存在している非必須アミノ酸です。グルタミン酸とピルビン酸からつくられます。アミノ酸の中でいちばんグルコースにかわりやすいといわれています。 | |
セリン | さまざまな酵素の部分を構成・情報伝達を担う(リン酸化をうける)・中枢神経の栄養因子など | セリンは体内でグリシンやグルタミンなどからつくられる非必須アミノ酸です。タンパク質分解酵素(キモトリプシンやトリプシン)など多くの酵素の重要な部分(活性中心)に存在します。 | |
チロシン | アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの材料・甲状腺ホルモンの材料・黒色色素メラニンの材料 など | チロシンはフェニルアラニンからつくられる非必須アミノ酸です。ドーパミン、ノルアドレナリン、甲状腺ホルモンなどの原料になります。非必須アミノ酸ですが、チロシンを直接摂ることは必須アミノ酸であるフェニルアラニンの節約になります。 | |
システイン | タンパク質の立体構造に関与・タウリンの成分・補酵素CoAの成分など | システインは硫黄を含んだ非必須アミノ酸です。からだの中のタンパク質は立体の形をしていることが重要な意味を持ちますが、その立体構造を保つのに大切な役割をしているのがシステインです。タウリンや、エネルギーをつくるのに大切な補酵素CoAの成分にもなります。 | |
アスパラギン | 水素結合・糖鎖の結合・オキサロ酢酸の材料 など | アスパラギンは世界で最初に発見された非必須アミノ酸です。アスパラギンの一部は水と仲のいい部分を持っていて(極性がある)、タンパク質の表面にあって水や他の極性のあるアミノ酸とくっつく性質があります。 | |
プロリン | コラーゲンの材料・角質層保湿作用・コラーゲン修復作用 など | プロリンは本来イミノ酸ですが、アミノ酸の名前で呼ばれている非必須アミノ酸です。体内ではグルタミン酸などからつくられます。プロリンはコラーゲンの材料となり、強いコラーゲン合成に役立っています。 | |
アスパラギン酸 | アラニンの原料・神経伝達物質 など | アスパラギン酸は、からだの中に存在する割合としては少ないですが、タンパク質の親水性のかたまり部分などで重要な役割を担っている非必須アミノ酸です。人口甘味料アスパルテームの原料でもあります。 | |
グルタミン酸 | 興奮性神経伝達物質・アンモニアのコントロール・アンモニア解毒の基質(脳)・GABAの材料 | グルタミン酸は、小麦グルテンから発見されたアミノ酸です。タンパク質をつくるアミノ酸として広く存在します。アスパラギン酸とともにタンパク質の親水性のかたまりの部分で重要な役割を果たしています。 |
【参考・引用文献】オーソモレキュラー栄養医学研究所
栄養素の説明 – タンパク質必須アミノ酸と非必須アミノ酸より
これらの【アミノ酸】を含んでいるものを【タンパク質】と呼んでいます。
【タンパク質】が不足すると何が起こるのか?
上の表のとおり、【タンパク質】は色々な影響を我々の体に与えていますね。例えば筋肉の分解合成を繰り返し行い長い周期で筋肉を新しいものにかえていくといったようなサイクルを作り出したり、様々な伝達物質合成したりしていますね。特に運動すると筋肉が分解されます。分解された後には補修補給が必要です。この時の材料になるのが【タンパク質】です。欠乏すると運動してせっかく脂肪や筋肉を分解しても、補修が入らなければ、筋肉は大きくなりません。分解して補修するから筋肉量が維持できるのであって、分解だけして補修・補給をしなければ、筋肉量が減る一方です。筋肉が減ると、脂肪の燃焼も悪くなり、脂肪の蓄えは、増える一方です。このような負のサイクルに陥らないように、【タンパク質】をしっかりとるようにしましょう。「ボディビルダー」さんや「ダイエッター」さん向けだけに言っているのはなくお子様からお年寄りまでに申し上げてます。「食欲無くてお肉そんなに食べれないよ」って言われる方もいるかもしれませんが、手軽においしく【タンパク質】が採れるものも今はたくさんあります。
よろしければ参考にしてみてください。最後まで読んでいただきありがとうご座いました。
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